コロナとおばあちゃんと両親と

私には90を過ぎた祖母がいます。
実家は田舎で生活には自動車は必需品です。
祖母にとっても同じで、自動車はなくてはならないもの。
ですが、家族としては運転することのリスクを考え、
昨年、祖母が自動車に乗らないよう売りに出しました。

祖母は90を過ぎたといえど、とても元気で、
平日はほぼ毎日、カラオケに行ったり近場に友人と観光、
マニュキュアを塗り、化粧をし、ヘアセットも自分でします。
そんな風に女性であることをいつまでも忘れないおばあちゃんを
私はすごく尊敬しているし、元気の源はそこにあるのだと思います。
だからこそ、祖母は『自分で運転する』ということに強い思いがあり
”手放したくない”、”生活ができない”、”自分でどこへも行けなくなってしまう”と
以前から「私はこんなに元気だし、運転に何の問題もない」と主張し
自動車を手放すことに拒否をし続けてきました。
祖母の血を引き継いでいる私は、旅行や人との出会い、会話が大好きなので、
外出したいという気持ちや、ずっと家にいるとおかしくなってしまいそうだ、
といった祖母の気持ちもよくわかるつもりです。

でも、年齢には抗えない部分がきっとあるのでしょう。
ここ数年で、駐車時に車体後方部をぶつけたり、すれすれのところに駐車をしていたり
軽い事故を起こしたり、コードにつまずいて転んだ際に骨折、
などなど気にかかることが多いのが事実。
誰かを轢いてしまったり、大きな事故を起こして亡くなったりして欲しくない。
そうなってしまってからでは遅い。
そう思い、祖母以外の家族、両親や私の兄と何度かそのことについて話し合い決断しました。

祖母からしてみれば、「私の大切な自動車が無断で取り上げられてしまった」と思っているようです。
心は、人よりもすごく若いのです。
自分は年寄りだ、と思っていないし、思われたくないのです。

今現在、私は関東圏に、実家は関西。
今年はコロナの問題もあり、実家に帰るということが難しい状況下なので
熱中症の心配や、退屈さもあるだろうと思い、時折おばあちゃんに電話をかけます。
そうすると、自動車が取り上げられた話をゼロから繰り返し、
以前何度も聞いた話を繰り返すことも増えてきました。
それに加えて、ものすごく頑固になりました。
その度に私は「頻繁に会わなくなってから、知らない間におばあちゃんもすごく年をとったんだなぁ」
と実感します。

自動車がなくなったことで、私の両親が外出先への送り迎えをするようになりました。
実家は自営業で、他の従業員の理解があることも幸いし、
銀行まわりの日や、消耗品・飲み物の買い出しなどで外出する際に送り迎えをしているようです。
もちろん、そんな日も祖母から”私から自動車を取り上げた”と言われることもあるようですが、、、

そんな中、今年は新型コロナウイルスが流行。
祖母は92歳、病院に通い、薬を飲んでいます。
コロナウイルスに感染してしまうと、きっと重篤化してしまう。
でも、祖母はカラオケに行きたがる。
毎日のようにお昼頃、両親と祖母で喧嘩になるそうです。
祖母はカラオケに行きたい。送ってほしい。
両親は重篤化の危険性もあるし、できるだけリスクを減らしてほしい。
一時、感染者数が落ち着いた時には、日々蓄積される祖母のストレスと日々の喧嘩から
毎日ではなく週に数回、必ずマスクを着用するなどの感染予防対策をきちんとすることを条件に
送り迎えをしていた時もあったようです。

今現在、また各地で感染者数が高止まりしていて、且つ、
お盆休み明けでお盆の帰省による市中感染も心配という理由から
両親は祖母がカラオケに行くことに反対し続けています。
母親はすごく頭を悩ませているし、義母である祖母に対しイライラを募らせてはいますが、
それでも休みの日や、仕事の外出があれば、
「車に乗ってるだけかもしれないけど・・・」と前置きして
ドライブに連れて行ってあげることも。

数日前、祖母と息子である父親とが大喧嘩になったそうで、
細かな詳細はここでは明かしませんが大変だったみたいでした。
私に愚痴を言うことで気持ちの共有をしたり、ストレスを発散したりする母親は
すぐに電話でそのことを教えてくれたので、
心配で何度も祖母の携帯に電話しましたが出ませんでした。
実家の固定電話に電話をかけても出ません。
心配で心配で母親に電話し、父親にも電話しました。
自宅に様子を見に行ってもらったら、怒りながらもケロりと新聞を読んでいたようで。

その日の午後はどうすればいいものか考え続けました。
この未知のウイルスと
頑固で元気なおばあちゃんと
私の両親と
兄には子供が3人。
明確な答えは出ませんでしたが、
その夜、
とにかく私はこんな状況でも旦那と楽しく元気でやってるよって
お盆に旦那と2人でおうち縁日を開催したのでその時に撮った写真と
2人で手持ち花火をした写真を送りました。

翌朝母親から電話があり
「後ろにおばあちゃんがいるからかわろか?」と言ってくれたので
かわってみると本当にケロリとしていて、いつも通り元気で、
「昨日はごめん。ただの親子喧嘩やったんやけど、私もわがまま言いすぎて反省しとったんや」
と反省の言葉を口にしていました。

すっかり解決、とはいきませんし、
家族とはいえ、1人1人考え方も違って、それぞれの思いがあるので難しい問題です。
これからも解決はしないかもしれないけど、
それぞれに思いやりを持って、丁寧に。
家族だけではなく、せめて私の周りにいてくれる人たちにだけでも
そんな風に接していくことが大切なのかな。


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